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大会初の両者優勝
2004/6/14 (月)
プレーオフ7ホール互いに譲らず
![]() プレーオフを続け午後7時過ぎても決着つかず、両者優勝となり健闘をたたえあう藤田大(左)と石井保行 |
神奈川県アマチュアゴルフ選手権大会2004は6月14日、相模原市の相模原ゴルフクラブ東・西コースで男子の部決勝が行われ、藤田大(横浜)と石井保行(相模原)がともに3オーバーの111ストロークで王者に輝いた。
7ホールに及ぶプレーオフとなった接戦はともに譲らず、大会初の両者優勝となった。藤田は昨年に続き2連覇。石井は1999、2001に続く栄冠だ。
栄冠分かち合い
大会史上初 藤田と石井V

「神奈川アマ2004」は14日、相模原市の相模原ゴルフクラブ(東コースアウト、イン、西コースアウト、計10,182yd、パー108)で男子の部決勝を行い、県内アマ王者の座をかけて169選手が熱戦を展開した。
約2ヶ月半にわたった大会の最終戦は、プレーオフ7ホールまでもつれ込む接戦の末、藤田大(横浜)と石井保行(相模原)が大会史上初となる両者優勝に輝いた。初優勝を狙った角田浩導(横浜)はプレーオフ3ホール目に脱落、2位に終わった。
来年の決勝シード権は、116ストロークまでの上位20選手が獲得。準決勝シード権は127ストロークまでの上位120選手が獲得した。
(小林一登、木村敦彦、写真は花輪久、吉田太一)
藤田 大
緊張を楽しみ 満足のプレー

モットーは「楽しむゴルフ」。
石井と激闘の末、2人同時優勝の栄冠に輝いた藤田大(27)は「楽しんでやれたのがなにより、最後はかなり緊張しましたけどね」と、この日一番の笑顔を見せた。
昨年覇者の藤田にとって、連覇への重圧は確かにあった。しかし2002年に日本アマを制し、アマの頂点を極めた男には、緊張の中でも「それもまたゴルフの楽しみ」と話す余裕があった。
自身「今日一番のラウンド」と振り返るのは、プレーオフ3ホール目(東10番、421yd、パー4)。アゲンストの風が強くなってきた中、ティーショットでフェアウェーの真ん中をキープすると、得意のアイアンでピン奥7メートルに乗せ慎重に寄せてパーにまとめた。「緊張してもしっかり乗せられた。満足のいくラウンド」と緊張を楽しみ、自分のゴルフができたことを喜ぶ。
「僕たちはプロじゃない。だからこそ自分のゴルフをしたい」と話す藤田。来月の日本アマ、その先に見える前人未到の県アマ3連覇に向けて「満足できるプレーができて、それに結果がついて来ればうれしいですね」と自然体を忘れなかった。 (木村 敦彦)
石井 保行
挑戦を忘れず 「大きな収穫」

昨年王者・藤田大ともつれにもつれたプレーオフを最後まで譲らなかったベテラン石井保行(43)。「人に見られるのは好きじゃない。上がり症だから」と、そのタフな戦いぶりからは意外な照れ笑いを浮かべた。
99、01覇者。「何か収穫があれば」と気負いなく参加した大会だった。前半の18ホール目、6オーバーで迎えた東9番(554yd、パー5)のチップインイーグルで波に乗ると、最後のハーフ東イン14番(420yd、パー4)でバーディーを奪ってトータル3オーバーと、すでにあがっていた角田と並んでトップに立つ。
そして迎えたプレーオフでは、不利な展開にたっても難しいパットをことごとく沈める。秘訣は「手首固定のやり方から手首を支点にしたうち方に変えてみたら、運動量がヘッドに乗り、思うままに球が出た」。土壇場でもチャレンジ精神を忘れなかったことが、「大きな収穫」(石井)につながった。
15歳からとゴルフ歴は長いが、成績に結びついたのはここ10年ほど。今年で10年連続出場となる日本アマではベスト8入りする輝かしい功績も。
「年齢を感じていたけど、まだまだ続けられる」と今大会で手応えを感じた石井は、再び日本アマの大舞台へ「柔軟性を大切に、絶えず試行錯誤のゴルフを続ける」。 (小林 一登)
スタミナ切れ悔やむ

○…2位に終わった角田浩導(33)(写真左)は「最後は、集中力が続きませんでした。年ですかね」と苦笑い。ともに戦った2人より1時間以上も早くホールアウト、その時点では藤田が2アンダー。「プレーオフなど想定もしていなかった」。
今年一月、勤めていたゴルフショップから独立。多忙な仕事の中、練習時間は激減した。「以前は毎日握っていた」というクラブも「久しぶり、という感じです」と話す。
しかし、その中で堂々の2位。東18番(458yd、パー4)では、残り180ydからの2打目をピン横1㍍に寄せ、バーディー。今年関東アマ決勝で8位に入賞した腕前の確かさを証明して見せた。
来月には日本アマにも出場する。「もう一度、練習し直して、スタミナを付けます」と気合を入れ直していた。
ベテランぶり光る
○…一昨年王者で今年はシニア(55歳以上)を制した山本秋夫(56)=横浜=はトータル8オーバーの116で21位。「風の影響もあったし、グリーンが速く、パターが決まらなかった」と、もうひとつ調子が上がらなかった。
それでも、この日5回以上入れてしまったというバンカーは、どれもリカバリーに成功するなど、安定感のあるベテランぶりも光った。
腰の故障を抱えながらのプレーに、「若いときには気にならなかったけど…」と不安も募らせるが、「シニアのチャンピオンで満足」と淡々とした表情。目標は日本シニア。「ぜひ上位に食い込みたい」と気持ちを新たにしていた。
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