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12年ぶり金子優勝
2012/6/5 (火)
県内のアマチュアゴルファーの頂点を決める「神奈川アマ2012」(県ゴルフ協会主催、神奈川新聞社など共催)は、中井町の平塚富士見カントリークラブ・大磯コース(6682ヤード、パー70)で男子の部決勝最終日が行われ、金子光規(横浜)が通算140のイーブンパーで12年ぶり2度目の優勝を飾った。
金子は難関コースで初日3アンダーの67で独走し、最終日は堅くまとめて3オーバーの73で逃げ切った。(神奈川新聞・深沢剛)
優勝した金子光規選手
金子好機待ち栄冠
初日67だった金子はこの日、後半インで3連続バーディーを決めるなど5バーディー、8ボギーの73で逃げ切り、12年ぶり2度目の優勝を果たした。
金子に4打差でスタートした昨年優勝の青木龍一(横浜)は後半2アンダーで回るなど猛追したが及ばず、通算3オーバーの2位で連覇を逃した。
4打差の3位には堀川未来夢(海老名)、5打差の4位には荒井健人(横浜)がつけた。
来年の決勝シード権は通算150ストロークまでの上位15人が獲得。最終日の競技を終えた上位15人を除く102人は準決勝のシード権を得た。
金子と青木はツアー競技の「キヤノンオープン」(10月4~7日・戸塚カントリー倶楽部・西コース)の出場権を獲得した。
「おじさんだって、若い人には負けられないってとこ見せないと」。10代、20代の若手選手に囲まれ、43歳の金子がゴルフ歴31年のベテランらしい落ち着いたプレーを見せつけた。
初日の好スコアで2位に4打差をつけて首位発進したが、前日ダブルボギーをたたいたスタートの1番(544ヤード、パー4)で、またしてもボギー。さらに5、6番でも連続ボギーとした。
それでも苦境に揺るがないのが不惑を超えた強さ。「風を読み違えただけ。ショットは悪くない」。「無茶することなんかない。しっかり勝負できるところで勝負すれば」。自分に言い聞かせ好機を待った。
チャンスは後半インに訪れる。10番(460ヤード、パー4)で7メートルのパットを沈めてバーディーに。「流れは確実に自分に来ている」。続く11、12番でさらに連続バーディーを決め、後続を引き離した。
金子は淡々と話す。「調子がいい時は何が起きたって冷静でいられるし、悪い時はその逆」。堅実なプレーの背景には、経験に裏付けられた精神力があった。
県アマの優勝トロフィーを手にしたのは12年ぶり。決勝で上位につけることは過去何度もあっただけに「神奈川は選手層が厚く、なかなか勝てなかったのでうれしい」と喜びも格別の様子だった。
痛恨の連続ボギー
日大2年の堀川(海老名)は2位と1打差の3位で、2位までに与えられるキヤノンオープンの出場権を逃した。
初日は4オーバーの9位タイ。前半をイーブンでしのぎ、後半は11、15番でバーディーを奪った。
「2オーバーなら(2位以内に)いけるかも」。意気込んでラスト2ホールに臨んだが、17番は約3メートル最終18番は約1メートルのパーパットを決められなかった。
「ラインの読みがわずかに違った。前半はイメージ通りだったのに・・・」と堀川。痛恨の連続ボギーを嘆き、「2日間を通して縮められる1打はいくらでもあった」と悔やんでいた。
結果を急ぎすぎた
中大4年の荒井は最終日を2オーバーと粘りを見せたものの、初日の出遅れが響いて4位に終わった。「結果を急ぎすぎて、自分の知らないところで力が出すぎた」と悔やんだ。
初日のショットの乱れを反省、タイミングの修正を意識した。「ここからが勝負」と臨んだ14番(365ヤード、パー4)。2打目をピンから3メートルの位置につけ、楽々とバーディーを決めた。
それでも、1,8番のバーディーチャンスで1メートルのパットをとりこぼすなど、「得意なパットが安定しなかった」。11日からは関東アマチュア選手権決勝が始まり、荒井は「リベンジしたい」と誓った。
15歳武田が健闘10位
山手学院高1年の武田(横浜)が10位タイと健闘した。
入賞者の中で最年少の15歳。学校にはゴルフ部がないため、プロの個人レッスンで腕を磨く異色の高校生ゴルファーだ。
県アマ初出場の1昨年は準決勝で、昨年は決勝初日で敗退した。着実にステップアップしているが、武田は「もう少し上にいけた」と悔しそう。課題はアプローチとパットで「残り2,3メートルをいかに入れるかが大事」と向上心を燃やしていた。
青木猛追も連覇逃す
「2位狙い」切り替え奏功
「大丈夫ですか?やったー、よっしゃ!」
最終18番。パーパットを決めた青木は、大会関係者に最終順位を確認して2位とわかると無邪気に声を上げた。
連覇を狙った今大会は、初日で首位に4打差の2位。前半から追い上げるつもりだったが、ドライバーが振るわず4オーバーに終わった。しかし、昼食休憩中に「優勝は無理。2位狙い」と切り替えたことが奏功した。
「短い時間で技術的なことは変えられない。(初日と前半の)悪いイメージを捨て、9ホールを回り切る」。そう心掛け、1打1打に集中した。「運がちょっと悪かっただけ」「相性のいいゴルフ場だからうまく回れるはず」という、持ち前の楽天的な発想も、巻き返しを後押しした。
後半出だしの10番(460ヤード、パー4)で、約165ヤードのセカンドショットをピン横10センチにピタリとつけてバーディー。17番(186ヤード、パー3)では約6メートルの上りのスライスラインを読み切り、バーディーパットを沈めた。
24歳は今年中にプロ転向を目指す。「多分最後の県アマで、次につながるものを取れてよかった」。昨年予選落ちしたキヤノンオープンの出場権獲得を喜び「今年は万全の調子で臨みたい」と雪辱を期した。(神奈川新聞・川村真幸)
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