
2016/5/31 (火)
神奈川アマ 2016 男子の部決勝最終日は31日、相模原ゴルフクラブ・東コース(7245ヤード、パー72)で120選手が参加して行われ、首位スタートの山田大晟(横浜)が76で回り、通算5オーバーの149で並んだ森山友貴(横浜)とのプレーオフを制して初優勝を飾った。
初日に1打差の3位につけていた金子光規(横浜)は通算6オーバーで3位。42位で出た上野一樹(海老名)はこの日ベストスコアの69と巻き返し、通算8オーバー4位に入った。山田と並んで初日首位の鶴田貴也(横浜)は85と崩れた。
優勝した山田は10月に行われる岩手国体の県代表選手に推薦される。
思い出の地 悲願達成
3年ぶりにプレーオフまでもつれた男子の部決勝。中学生の森山との一騎打ちを制し、山田が初の栄冠をつかんだ。「アマチュアのうちに勝っておきたかった大会。自分の名前を刻めて自信につながる」。昨年22位タイからの躍進に、さわやかな笑顔を浮かべた。首位発進の初日から一転し、この日は4オーバー。ただ、追い上げを許して迎えたプレーオフで21歳は真価を発揮した。
「ティーショットで全てが決まる」と踏んだ1ホール目の10番(438ヤード、パー4)でフェアウエーを豪快に切り裂き、残りは150ヤード。2打目を砲台グリーンの右奥に落としたが、「あわよくば狙っていた」とピン左手前20ヤードからチップインで沈め、勝負を決めた。
大学卒業後のプロ転向を目指して専大ゴルフ部で腕を磨く。小学校時代の2007年に初めてプロの試合を観戦したのがこの日の会場となった相模原ゴルフクラブで行われた日本オープン。トッププロの輝く姿を目の当たりにし、「いつか自分もここに立ちたい」と将来の夢を定めた場所で、また一つ忘れられない思い出をつくった。
昨秋はその日本オープンに念願の初出場。片山晋呉にアドバイスをもらいながら練習ラウンドを回り、大きな刺激を受けると、続く大学対抗の信夫杯でMVPに輝いた。「この優勝を弾みに、大学でもっと活躍したい」。自信を手にし、来週の関東アマに臨む。
(神奈川新聞社 木田 亜紀彦)
終盤 驚異の追い上げ
入れなければ2位が決まる約7メートルのパット。ピンから遠ざかっていくのを見届けると、森山は天を仰ぎ、勝者をたたえて抱き合った。「ショットが左にいっていたので(フェアウエーの)右端を狙っていたんだけど…」。プレーオフ1打目のティーショットが狙いよりさらに右にそれ、2打目のアプローチも木にはじかれる。3打目でグリーンに乗せたが後手に回った。
1打差の3位で出た中学3年生は懸命にプレーした。前半2度、3パットをたたいて後退し、後半の16番を終えてトップとは2打差。それでも無欲がドラマを呼んだ。
17、18番で連続バーディー。それまで苦しんでいたパットが思い通りの軌道を描き、最終盤で山田に追い付いた。
プレーオフこそ後じんを拝したが、初の中学生王者へあと一歩。その健闘は大いに大会を盛り上げた。「最後はずっと心臓がばくばくしていた。最年少優勝を狙っていたんだけど…」と森山。3歳からクラブを握り、小学校時代から国際大会も経験してきた逸材はこれからさらに強くなる。
(神奈川新聞社 須藤 望夢)
金子は1打差で涙
○…最終ホールまで首位と並んでいた金子は18番で痛恨のボギー。2000、12年に王座に就いていた47歳は1打差で涙をのんだ。2打目がグリーン手前のバンカーに吸い込まれると、リカバリーも及ばなかった。ただ「最後のバンカーよりも、きょうはパットが入らなかったのが痛かった」と、後半14、15番でのバーディーチャンスを逃したことを悔いた。
それでも悲嘆の色を見せない。「学生相手にこれだけできれば十分。来年も元気に出られればいいかな」と明るい表情で汗を拭った。
*1位、2位はプレーオフにて、その他順位はマッチングスコアカード方式にて決定
上位15名が来年決勝シード権を得る。
最終日競技完了者は来年準決勝シード権を得る。
成績