荒井 悲願の頂点



2013/6/4 (火)

神奈川アマチュアゴルフ選手権2013男子の部決勝最終日は、相模原ゴルフクラブ・東コース(7245ヤード、パー72)で118人が参加して行われ、荒井健人(横浜)が77で回り、通算5オーバーの149で並んだ松田永基(海老名)とのプレーオフを制して初優勝した。
初日にトップと1打差の72で2位につけた荒井は、最終日を1バーディー、6ボギー。初日73の3位で最終日は2バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの76で回った松田と並んだ。7年ぶり7度目のプレーオフは、第1ホールの10番(438ヤード、パー4)で荒井が約7メートルのバーディーパットを沈めて決着した。
荒井は9月に行われる東京国体の県代表選手に推薦され、10月の全国都道府県対抗アマチュアゴルフ選手権の出場権を獲得した。

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弱さ克服 大きな成果


決めれば優勝のバーディーパットは、起伏のある約7メートルのフックライン。緊迫の場面でも荒井は落ち着いていた。
「カップは見ない。信じたラインに打つだけ」。思いを込めたボールは緩やかな弧を描いてカップに吸い込まれ、「やっと終わった」と安堵の表情を浮かべた。クラブハウスに戻ると、優勝を実感したのか同年代の仲間と笑顔で抱き合った。
後半の出だしから3連続ボギーをたたき、残り6ホールでトップと3打差。優勝戦線から脱落しかけたが、「絶対にここで終わりたくない」という強い思いがあった。直後の13番で約6メートルのバーディーパットをねじ込み、息を吹き返した。
県アマ決勝は昨年4位で、1昨年は5位。初日に健闘しても最終日は決まって早々に脱落した。「自分は勝負弱い」。そう自覚し、克服に励んだ。練習で打つ球数を1日50~100球に制限する代わりに「常にしびれる状況を想定して打ってきた」と振り返る。
取り組みの成果を実らせ、たどり着いた頂点。「県アマには(中学生のときから)何度挑戦したか分からない。神奈川で暮らす自分にとって、絶対に欲しいタイトルだった」。優勝カップを手にした22歳は万感の面持ちだった。(神奈川新聞・川村真幸)

ぶれない強さで準V
松田 仲間を素直に祝福

「ナイスバーディー」。荒井がウイニングパットを決めるのを見届けると、松田は素直に祝福した。自身はほぼ同じ長さの上りのパットが10センチほど届かず、決めきれなかった。明暗が分かれた瞬間だった。
「健人は違う大会でも一緒に回っている仲間だし、お互い最高のショットを打っての結果。気持ちよく祝える」。そう言って同士をたたえた。
5年ぶり3度目の優勝を狙っての最終日。ぶれない強さを見せたのは後半の最終18番(490ヤード、パー4)だった。
2打目が強い追い風に乗ってグリーン奥のラフに入った。ピンチを迎えたが、下りのスライスラインを読み切り、「狙い通り」というアプローチをピンまで30センチへ。パーでしのぎきってプレーオフに持ち込んだ。
4月に左手中指を骨折。大会1週間前まで本格的な練習ができず「めちゃくちゃ不安だった」というが、片手でアプローチの練習を続け保った感覚と経験値で優勝争いまで登りつめた。
39歳。平均290ヤードという飛距離に加え、「ティーショットが曲がらなくなった」と今なお成長を実感する。さらなる高みを目指し、今年中旬の、日本アマへと続く関東アマ決勝での健闘を誓った。(神奈川新聞・田辺里奈)



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猛烈に追い上げ3位
柳澤(横浜)が最終日の猛烈な追い上げで3位に食い込んだ。
初日は7オーバーの79で22位タイだったが、48歳は諦めなかった。前半を2アンダーの34で回ると、後半も攻め続けた。
ハイライトは最終日だけなら3アンダーで迎えた17番(560ヤード、パー5)。バーディー狙いのショットが「少しかんでしまった」。飛距離が足りずボギーをたたくと、最終18番も連続ボギーで詰め切れなかった。
惜しくも1打差で3位となったが「攻めるところで攻めたので仕方ない。頑張った」と振り返った。

努力家の杉山「残念」
初日首位の杉山(横浜)は通算6オーバーで3位に終わり、「残念です。相手を意識して自分のゴルフができなかった」と無念そうに振り返った。
第1打を林の中に打ち込むなど「ティーショットがうまくいかなかった。優勝しようと力が入ってしまった」という。自宅近くのゴルフ場でアルバイトをしながら毎日の練習に励む20歳の努力家は「もっと一生懸命練習しなくては」とますますの奮起を約束した。