青木が逆転初V



2011/6/14 (火)

県内のアマチュアゴルフの頂点を決める「神奈川アマ2011」(県ゴルフ協会主催、神奈川新聞社など共催)は6月14日、中井町の中井町の平塚富士見カントリークラブ・大磯コース(6678ヤード、パー70)で男子の部決勝最終日を行い、青木龍一選手(23)=横浜=が通算5アンダーの135ストロークで、初優勝を飾った。
13日からの2日間の日程で、最終日は121選手が参加。青木選手は安定したパットを武器に初日の2位から逆転優勝した。
(鈴木秀隆、木村敦彦)

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青木じわり逆転


初日を2位で折り返した青木は、パットが安定。4バーディー、2ボギーの68ストロークにまとめ、逆転優勝した。初日に6アンダーで首位だった伊藤誠道(藤沢)はアプローチとグリーンに悩まされ、通算3アンダーに後退して準優勝だった。
来年の決勝シード権は、通算151ストロークまでの上位15人が獲得。最終日の競技を終えた上位15人を除く106人は、準決勝のシード権を得た。
優勝、準優勝の2人はツアー競技の「キヤノンオープン」(10月6~9日、戸塚カントリー倶楽部・西コース)の出場権を獲得した。


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勝負どころ
冷静に初V

ジュニアの部でも栄冠


2打リードした18番。青木はパットをねじ込むと、両腕をゆっくりと挙げて万歳のポーズをつくった。
息詰まる展開だった。前半は5番まで連続パーでしのぎ、6番(535ヤード、パー5)から2連続バーディーでじわじわ伊藤を追い上げた。
1打差まで詰めて折り返した後半、14番(365ヤード、パー4)で約5メートルのバーディーパットを沈めて再び首位タイに。
そして圧巻だったのは16番(414ヤード、パー4)。「ここが一番の勝負どころ」とティーショットをフェアウエーの真ん中に運び、8Iでつなぐと、2パットで上りの難しいグリーンを克服した。「結果はパーだが、16番で決着がつくと読んでいた」と青木。予想通りの展開で首位に躍り出た。
表彰式のスピーチでは「中学生のころから、歴代の優勝者を見て、いつか自分もと思っていた」。その言葉通り、ジュニアの部に続いて栄冠に輝き、「これでグランドスラムかな」とおどけた。
憧れは昨年の覇者藤田大選手。今大会に出場し決勝へ進めなかったカーレーサーの谷口信輝選手を「兄貴分」と慕う。「(谷口選手は)いま海外にいるので、早く報告したい」と声を弾ませた。
(鈴木秀隆)

「精神面鍛え 強くなる」
15歳伊藤 悔しい2位

「勝ち急ぐな、と自分に言い聞かせていたのに」。初日の3打差を覆されての準優勝に、伊藤誠道(15)は、悔しさを隠さなかった。
勝負を分けたのは、1打リードで迎えた16番(441ヤード、パー4)。約180ヤードを残しての第2打はグリーンを大きくオーバーし、コース奥の歩道も越えた。SWで寄せるも、傾斜のきついグリーンに流されて結局ダブルボギー。首位を明け渡した。
試合後は「焦らずにプレーをしおうと考えていた。でもそう思うところで、すでに追い込まれていたんだと思う」と痛恨のホールを分析。今期、関東アマチュア選手権でも3日目まで首位を走ったが最終日に崩れて準優勝。「これで課題は精神面だとはっきりした。リードしているときの戦い方を鍛えれば強くなれる」とあらためて自らを見詰めた。
プロゴルファーの父・一誠さんの影響で1歳からクラブを握った高校1年生は、この日獲得したキヤノンオープンへの出場権に「もっと成長したプレーを見せる」と前を向いた。
(木村敦彦)


アプローチ修正3位


4位でスタートした日大2年の進藤巧(20)が、最終日を1バーディー、4ボギーにまとめて3位入賞。「ティーショットはいまいち。だけどアプローチで修正できた」と満足げだった。
優勝した青木は日大ゴルフ部の先輩。進藤は「先輩に勉強させてもらいました。来週の関東学生選手権でも、この経験を生かしたい」と話した。

見事なイーグルも・・・


最終日に67ストロークのベストスコアを記録したのは、2000年の王者で42歳の金子光規(横浜)。
光ったのは5番(375ヤード、パー4)。残り150ヤードの第2打を7Iで軽く打つと、そのままカップインして見事にイーグルとなった。
金子は「これで(トップ争いに)いけるかなと思ったが(そこから)ずっとパーだった」と苦笑い。初日の6オーバーが響いた形だが、チャンピオンの実力は見せつけた。

鈴木大がエース達成


打ちおろしの17番(186ヤード、パー3)で、32歳の鈴木大介(横浜)がホールインワンを達成した。今月3日の練習ラウンドでも池越えの12番(156ヤード、パー3)で経験したばかり。2週間で2度の快挙に「ちょっと怖いですね」と振り返った。6Iのティーショットがドローボールでピンの約4メートル手前に落ちた。「寄ったな」(鈴木大)と思った瞬間、転がったボールはそのままカップに。これが効いて通算11オーバーで13位に入り、鈴木大は「来年の決勝シード権を手に入れることができました」と、2重の喜びに浸っていた。