2005/6/13 (月)
義澤選手が、初の栄冠
県内のアマチュアゴルファーが頂点を競う「神奈川アマ2005」(県ゴルフ協会主催、神奈川新聞社、テレビ神奈川共催)は13日、相模原市大野台の相模原ゴルフクラブ東・西コース(10,504yd、パー108)で男子の部決勝を行い、義澤秀雄選手(相模原)が通算1オーバー、109ストロークで初の栄冠に輝いた。
4月1日から約2ヶ月半にわたって行われてきた大会の最後を飾る男子決勝には、予選、準決勝を勝ち上がった選手にシード選手を加えた176選手が出場した。
義澤選手は豪快なロングショットを武器に、27ホールストロークプレーの長丁場の戦いを制した。 (浅川 将道)

藤田12位、3連覇ならず
大会3連覇がかかっていた昨年の王者藤田大(横浜)は12位、4度目の王者を狙った石井保行(相模原)は14位に終わった。
来年大会の決勝シード権は116ストロークまでの上位20選手が獲得。準決勝シード権は128ストロークまでの上位120選手が獲得した。
攻めの姿勢を最後まで貫く
「ドンマイ」に救われ
S字に曲がる細いフェアウエーのど真ん中を、目の覚めるようなドライバーショットが突き抜けていく。この日26ホール日の東コース17番(534yd、パー5)。「本日一番です」という飛距離320ydのスーパーショットで、24歳の義澤秀雄が初優勝を確かにした。
タイトル争いの重圧と、ラウンド中につった右足の痛みを忘れてコースに駆けだした。残り215yd。この時点で首位タイながら、果敢に2オンを狙う攻めの姿勢はぶれない。3Ⅰでピン横8㍍につけ、貴重なバーディーを奪った。
直前までは悪い流れが続いていた。疲れと緊張からティーショットを左右の林に打ち込む。東14番(パー4)は4パットで痛恨のダブルボギー。だが、「ドンマイの声に救われました」。同組で回る2連覇中の藤田大、ベテラン河本徳三朗の激励が、切れかけた集中をつなぎ留めてくれた。
実家は相模原市内でゴルフ練習場を経営するが、本格的にクラブを握ったのは18歳から。「大きなことは言えないけど、少しだけ(他の大会への)欲が出てきました」。平均飛距離280ydを誇るハードヒッターが、ビッグタイトルを獲得した。 (塩野 圭太)
「首位」意識し崩れ2位 黒沢
18ホールを終えて4アンダーで首位に立っていた黒沢恭孝(28)。そこからのラスト9ホールで追われる身の重圧に苦しんだ。
東10番(パー4)では、ティーショットをフェアウエー右の木の根元に打ち込み、2オンを狙えずにボギー。東17番(パー5)では1㍍のバーパットを外すなど、ノーバーディー、6ボギー。貯金を一気に吐き出した。
「休憩前に自分がトップに立ったのは分かっていた」と黒沢。同時に「1打差で義澤選手が追っている」という状況も認識していた。義澤は、今大会の準決勝でトップ通過を阻まれ、5月の東日本パブリック選手権でも先を越された相手。意識もないはずがなかった。「今度こそは」の思いがショット、パットを微妙に狂わせた。
昨年の40位タイからの躍進にも「2位は悔しい。(タイトルを)取れるときに取らないと」。「自分のなかでいいステップになった。この結果に自信を持ちたい」と、何とか気を取り直した。 (浅川 将道)
第一人者の貫禄藤田
史上初の3連覇を狙った藤田は4打差の113ストローク。「いい勉強になりました」と、さばさばした様子だった。
10日まで行われた関東アマ(千葉・成田)で8位。中2日の過密日程に「体力的に厳しかった」。それでも東15番(346yd、パー4)は、上り5㍍のフックラインを沈めてバーディー。最後の9ホールをパープレーで締め、第一人者の貰録をみせた。
「調子が悪かったわけじゃないから」と藤田。7月5日開幕の日本アマ(鳥取・大山)へと気持ちを切り替えた。
若さあふれる勢い
○…ジュニア世代の庄司由(横浜商大高3年)が4位に入る健闘を見せた。 準決勝第3会場でトップ通過を果たした実力者。「休憩前の18ホールを74ストロークで終えられれば」という目標設定に対し結果は72。東16、17番と西1、2番で連続バーディーを奪うなど、若さあふれる勢いを見せつけた。
藤田大、石井保行ら優勝候補を抑えての4位には「優勝は意識しなかった」と淡々。今後について「まずアマチュアのトップに立つこと。そのためにも日本アマに出場したい」と目標を掲げた。
同日、シニア(男子55歳以上)の部 の表彰も行われた。写真は優勝した伊藤 仁(横浜)