伊藤選手が初優勝

2005/4/28 (木)

後半ノーボギー堅実プレー光る

「神奈川アマ2005」は28日、清川カントリークラブ6534yd、パー72)でシニア男子55歳以上の部を行い、参加181選手が18ホールストロークプレーで熱戦を繰り広げた。伊藤仁(横浜)、石井基雄(小田原)の2選手が72の同スコアで回り、マッチングの結果、伊藤選手が初優勝に輝いた。

2オーバーで前半を折り返した伊藤選手は、ショートホールの14、16番でバーディー。強風の影響で各選手がスコアメークに苦しむなか、後半をノーボギーにまとめる堅実なプレーが光った。

3位には小黒芳男選手(横浜)が入った。今大会の上位10人は6月13日、相模原ゴルフクラブで行われる男子の部決勝に出場する。

風つかみ 波に乗る

 「素晴らしいキャディーさんと、風と運にも恵まれた」。男子シニア55歳以上の部で初優勝の伊藤仁選手は、日焼けした顔をしわくちゃにして、こう謙遜した。

 昨年6位の実力者だが、イン9ホールが起伏に富む清川CCを苦手とする。「何とか克服したい」という思いとは裏腹に、この日もアウトで2オーバーと出遅れた。

 それでも、午後に入って勢いを増した風を一人つかんだ。「雨は嫌だけど、風の中で計算通りに打てたときが一番、波に乗れる」。上位選手が軒並みスコアを落とすなか、堂々の後半2アンダーで巻き返した。

 難解とされる池越えの14番(186yd、パー3)。やや右からの強烈なアゲンストに負けず、7Ⅰでピン奥4㍍へ。「下りの真っすぐ」というパットラインに乗せ、停滞ムードを一掃する。

16番も同様の距離を沈め、この日3つめのバーディー。「パットはずっと不調だったし、すべてキャディーさんの指示通り」とはいうが、直前の10日間は1日2時間のパット練習を欠かさなかった。

 「やっぱりゴルフは練習」と、プレー歴32年のベテランが原点に立ち戻る。決して運や相性だけではない。勝利の陰には必ず、地道な努力がある。

                            (塩野 圭太)

 

 勝負どころ逃さず

 ○…優勝スコアと同じ72ストロークながら2位の石井基選手。「取れるとは知らなかった」と、男子の部決勝のシード権獲得を素直に喜んだ。

 インスタートの12番から3連続バーディー。対照的に後半は38とスコアを落とした。それでも、6番(164yd、パー3)はグリーン奥のバンカーから、2打目をピン手前6㍍へ。最後は上りのフックラインを見事に読んだ。「あそこで外すとズルズル行くところ」と、勝負どころは逃さなかった。

 慢性的な腰の痛みに加え、昨年は神経痛でパターを握れぬ時期もあったという。「(シニアは)レベルが高いから、緊張感が違いますね」と、会心の復活劇に笑顔が絶えなかった。

4月28日 シニア男子55歳以上の部 清川C.C.(PDF)