金子光選手
混戦を制し悲願の初V

2000/6/12 (月)

優勝者
正確なショットで1アンダーをマーク。初優勝した金子光規選手=相模原ゴルフクラブ

 2000県アマチュアゴルフ選手権大会男子の部決勝は6月12日、相模原市大野台の相模原ゴルフクラブ(27ホール=10576ヤード、パー110)に161選手が参加、東・西の27ホールストロークプレーで行われ、1アンダー109の好スコアでラウンドした金子光規選手(31)=横浜=が初優勝した。1打差の2位には前年優勝の石井保行(39)=厚木=ら四選手が並ぶ大接戦だった。

 あいにくの雨天のラウンドとなった。金子光選手は、切れ味鋭いアイアンを武器に後半の9ホールで4バーディー(1ボギー)を奪い、混戦を抜け出してトータル109にまとめ、逆転優勝した。
 金子光選手は10月18、19日に宮崎県フェニックス高原カントリークラブで行われる「全国都道府県対抗アマチュアゴルフ選手権大会PRGR CUP」への出場権を獲得。来年の決勝シードは115ストロークまでの上位20選手が、準決勝シードは125ストロークまでの上位120選手が手にした。

優勝カップを勝ち取り喜ぶ金子光規選手=相模原ゴルフクラブ

逆転呼ぶ完ぺきショット
 東アウト4番(パー4)、この日通算22ホール目のセカンドショット(7I、約150ヤード)は、ピンの横30センチにピタリと落ちた。日大ゴルフ部で活躍し、昨年まで日本代表にも名を連ねた金子光規選手(31)をして、「めったにあるものじゃない、完ぺきな手ごたえ」と言わせたスーパーショットが、逆転の、そして念願の初優勝を呼び寄せた。
 調子は決して良くなかった。「グリーンが重くて、パットが合わなかった」という前半18ホールは、2オーバー。「せめてパープレーじゃないと、勝負にならない」と臨んだ後半は、いきなりボギー。続くホールもしのいでパー。
 だが「やっちゃた(ボギー)と思った」という矢先のベストショットで、風向きはガラリと変わった。続く5番、7番とバーディー。競技委員に他選手の結果を聞き、バーディーならトップという状況の最終9番(ロング)でも、約80ヤードの第3打をピンから約1メートルにつけ、フックラインを丁寧にカップインさせた。通算1アンダーのフィニッシュ。「(4番で)いけるんじゃないかって、その気にさせるショットでした」。試合後の金子選手は、手ごたえを確かめるように振り返った。
 実力、実績ともに申し分なく、ここ数年は常に優勝候補に挙げられてきた。だが「高校生のころから挑戦していて、出場何回目かは覚えていない」(金子選手)という県アマのタイトルが、なぜか取れなかった。今年は春の選考会で日本代表に選ばれず、プライベートでは結婚するなど奮起する要素が多い、いわば勝負の年。「練習量は変わってないが、攻め方や考え方、意識が変わってきた」と金子選手。先の関東アマでは3日目まで3位につけ、この日は優勝と、結果を出した。
 悲願の優勝。金子選手は「今日は自分に風が吹いただけ」と、謙虚な表情を崩さない。だが「やっと獲れたタイトル。精進して、来年も手放さないようにしたい」。連覇に向けて、大きな欲も出てきたようだ。

 

◆昨年優勝の石井保選手、パットに泣く〇…昨年優勝の石井保行選手(39)=厚木市=は、18ホールをトップの2アンダーで折り返す上々の内容。だが、ラスト9ホールでパットが思うように入らず、1打差で連覇の夢が消えた。西アウト3番(ロング)で、約1・5メートルの下りのバーディーパットをわずかに外してリズムが狂った。6番(ショート)では約8メートルのロングパットが寄り切らずに3パットのボギー。「あぁー」と大きな声を出し、いらだちをあらわにした。結局9ホールはノーバーディの2オーバー。「実は今朝、パターを換えた。これを使うのは2度目。こういう失敗をよくやっちゃうんですよ。あー、負けちゃった」と、悔しさいっぱいだった。 

 

高校生の小川、2年連続入賞
 〇…厚木北高三年の小川純一選手(17)が6位タイに入る健闘をみせ、昨年の7位タイに引き続いて連続入賞を果たした。
 小川選手の最大の武器は何と言っても、280ヤード前後は出すプロ顔負けの飛距離だ。この日も東アウトの2、3番(ロング)で連続バーディーを決めた。ドライバーで約280ヤード飛ばして、持ち味を思う存分に発揮した。
 反省点は「グリーンまでの距離感をつかめなくて、オーバーしたりしたこと」。東アウトの9番(ロング)ではグリーンを外し、ボギーにしてしまった。それでも「結果には満足しています」と笑顔。ただ、1位と2打差だっただけに悔しさも大きい。「もう少しだった…。来年は必ず優勝したい」と、意気込みを語っていた。


残念、プレーオフ実現せず/ホールアウト組選手
 〇…トップと1打差のイーブンパーが4人出るなど、あわやプレーオフ寸前までいった男子決勝。すでにホールアウトした選手たちは"期待"して試合経過を見守ったが実現せず、肩を落とした。
 パープレーで早めに終了した竹原洋行選手(29)=横浜=は、大会関係者から状況を聞かせられ、着替え直してプレーオフを待った。だが願いは空振りに。「最後のホールでバーディーが取れれば」と悔しがった。その東アウトの9番(ロング)。残り3メートルのバーディーパットが弱く、右にそれてしまった。「まあ、でもショットが安定していたからよかったです」と気持ちを切り替えていた。
 長島庄平選手(19)=鎌倉=もその中の一人。放送で急に呼ばれ、準備を整えていた。「バーディーチャンスが7度ぐらいはあったがパットが決まらなくて」。こちらは自分自身に納得していない様子だった。